RDD の履歴(No.3)

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最終更新日時2025-03-09 (日) 15:52:32

要件定義†

2024年11月から2025年3月まで働いたところで、社員さんからお願いされました。

「要件定義とか設計について、教えてください!!」

3月で終了になっちゃったので、まあ、最低限の心構えだけレクチャのつもりで書いた文章です。

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パターン1†

ビジネス部門: 息子／IT部門 : 父親

～　父と息子の会話　～

息子	グレートバリアリーフ行きたい!	<- 希望/要求
父親	行くのはいいけど、グレートバリアリーフで何をしたいんだ?
息子	海に行ってサンゴ礁見たいんだ!!	<- 実際にやりたいこと

～　スケジュールや予算、ルート、周辺状況などを調査　～　

父親	パパは、3月末しかスケジュールとれないよ。	<- ヒアリング(IT部門)
息子	それじゃ、パスポートとれないよ。もっといろんなところ行きたいから、1か月くらい行きたいし	<- ヒアリング(ビジネス部門)
父親	それ以外にも、いろいろ準備が必要だろ? どんな準備ができれば、いけるか、みんなで考えてみよう	<- ヒアリング(タスク分解)

～　タスク分解後　～

父親	では、3月の休みは、小笠原に行ってみよう。スキューバの資格をとれば、オーストラリアでも楽しめる。
息子	じゃあ、今度の目標は、スキューバの資格とりだね!　ぼく頑張るよ!!	<- PJの短期目標設定

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ポイント†

～父と息子の会話～

息子の「希望」が「実際にやりたいこと」ではないことを意識します。

自分のやっている作業をPower BI 化したい。といわれても、それ自体、元データを整理して自分で自由に加工したい、毎月の業務を楽にしたい、いつでも最新のレポートが必要な人に見えるようにしたいなど、目的がいろいろあるのです。
本当の目的は何なのか、複数あるとしたら、その優先順位は何なのか、確認する必要があります。

～スケジュールや予算、ルート、周辺状況などを調査～

「実際にやりたいこと」が決まったら、それに必要なリソースや工程を確認し、共有します

こちらで必要と思うことが、相手にとって必要でないなど、またそれの逆もしかりです。
必要なものをリストアップして、すり合わせを行います

～タスク分解後～

マイルストーン( 直近の目標 ) を確認します。

↑

パターン2†

～　父と息子の会話　～

息子	グレートバリアリーフ行きたい!	<- 希望/要求
父親	行くのはいいけど、グレートバリアリーフで何をしたいんだ?
息子	海に行ってサンゴ礁見たいんだ!!	<- 実際にやりたいこと

～　スケジュールや予算、ルート、周辺状況などを調査　～　

父親	お前、泳げないけど、海には潜りたいのかい?	<- ヒアリング(状況確認)
息子	う、、泳げるようになる!!	<- PJ短期目標

～　短期目標達成に向けて　～　

息子

お休みのたびに、市民プールで泳ぐ練習

短期目標実行に向けての作業

～　目標達成確認

父親	お前、泳げるようにならないなあ。。サンゴ礁は船の上からでも見えるんじゃないか?	目標到達不可の確認と次の目標提示
息子	・・海に潜るのはあきらめる。。サンゴ礁は、水族館で見てくるよ!	PJ目標の変更

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ポイント†

現在持っているスキルや途中で発生した課題によって、PJ自体の目標を変更する必要があります

2022年に実施した社内業務効率化PJでは、以下のように目標を変更しました。

全社員がPower BIのスキルを持ってほしい

→　Excelスキルのない人間にPower BI スキルを取得させる必要があるのか?

Excelスキルがあり、定期的にレポートを作成している人間にPower BI スキルを持ってほしい

→　対象者の選択、モチベーションを保ったままの教育体制の確立などを考慮したうえで、どのように進めていくのか。どこまでできることを目標にするのか?

Excelのスキルがあり、定期的にレポートを作成している人間が、DX推進チームの作成したPower BI レポートを利用して、作業を自動更新できるようにする。
次のフェーズで、与えられたPower BI レポートを自分で編集できるようにする。
また、簡易なPower BI レポートは自作できるようになる

↑

役割†

要件定義フェーズにおけるマネージャ/アーキテクトの役割は、

現在の状況を確認した上で、
「実現可能」かつ「相手が望むものに一番近づく」PJの目標を提示し
関係者全員が合意できる形にまとめ上げていく

ことが必要です。

↑

ポイント†

全体像の共有

現状(AsIs)、将来像(ToBe)を、関係者全員で共有できる形に落とし込み、共有、合意をすることが必要です。

関係者各自が持つ「個別知識」の共有

システムを利用するエンドユーザーはもちろんのこと、開発を行うSEやエンジニアしか持っていない「業務/技術における専門知識」が存在します。
開発に必要な「専門知識」をできるだけ早期タイミングで共有できるような、「現状理解」ができる場を作成することが、
マネージャ/アーキテクトの必須業務です

「自分の力を過信しない」ことを、技術者は、心に刻む必要があります。